2013年12月3日火曜日
本を忘れず、末を乱さず
本日の講師は、ファイナンシャルプランナーとして、障がい者が親亡き後、自立して生活していくためのサポート、(就労支援、障害年金サポート、ライフプランの作成)や障がい者の働く場つくりの一環として、東京都日野市にコミ二ティカフェとチャレンジショップを2013年12月開業するなど、多彩な活躍をされている、東京都府中・調布倫理法人会本間 博之会長です。「本を忘れず、末を乱さず」というテーマでお話しいただきました。
【本間 博之 氏のプロフィール】
東京都府中・調布倫理法人会 会長
女性いきいきチャレンジ応援協議体 理事
株式会社 FPステーション代表取締役
いよいよ師走、朝晩の冷え込みも一段と厳しくなってまいりました。しかし、この寒さがむしろ心を引き締めてくれているようです。紅葉の見頃を向かえた鎌倉の早朝、公会堂はいつものようにたくさんの笑顔と明るい挨拶の声が響き渡りました。師走第一回目のモーニングセミナーのはじまりです。
「おはようございます!」
満面の笑みを浮かべた石渡会長のスピーチが始まりました。
「運命は自ら招き、境遇は自ら創る、と、『万人幸福の栞』第3条にあります。みなさん、これを実際にやってみると、まるで宝の山を得たようになりますよ」
ロータリークラブでの奈良旅行の際、苦手な人を案内することになった石渡会長。嫌だなぁという思いを捨て、白木副会長がよく話す「はい、喜んで」という気持ちに切り替えるまで2日間かかったといいます。
「しかし、捨てたら何もかもが好転しました。旅行はすばらしいものとなったのです」
倫理は実践であるということを、自らの経験を通じてお話くださった石渡会長。
「倫理の学びと実践を、腰を据えてがんばりましょう」という言葉が強く心に残りました。
続いて、宮川 史生 氏の3分間スピーチです。本日のテーマの栞は、第十五条「信ずれば成り、憂えれば崩れる」です。
この日が38歳の誕生日だという宮川さん。その節目に、決意の思いを込めてスピーチに立ったということです。
少年時代から野球をやっていたにも関わらず、練習を一生懸命にしなかったゆえに自信が持てなかったこと、また、勉学にしてもやはり同じであり、結果的に失敗を招いてしまった経験を語った上で、「38歳の一年間、倫理と出逢って、まずは信じるところから始めたいと思います。今日が誓いの日です」と力強く語りました。
そして、いよいよ 本間 博之 氏による講話です。
日本史が好きで、特に鎌倉時代が面白いという本間氏。ファイナンシャルプランナーとして、障がいのあるお子さんを持つ親御さんから財産関係の相談を受けたことをきかっけに、障がい者がそれぞれの個性を生かすことのできるカフェの経営をスタートさせました。奇しくも今週金曜日(6日)がカフェのオープンという、いわば「勢い」のある時に貴重なお話を伺ったのです。
「私は、大事業家になりたいのです。『万人幸福の栞』に大事業かは無欲の人である。ただせずにはおられず、と、ありますが、まさしく、私はせずにはおられずに事業を行っているのです」
両親の人のために働く姿を見て「チャレンジ精神」や「役に立ちたい」という心を持てるようになったこと、そして、学生時代にラグビーに励んだ経験から、「人それぞれの個性を認める世の中をつくりたい」という思いを抱くようになった経験を語ったうえで、以下のように講話は続きました。
「大学卒業後、バブル前で同級生が大企業に就職する中、私は事業をやりたいと思いました。しかし、何かやろうという気持ちがあっても何をすればいいかわからない。それで行動が伴わなかったのです。なんとなく法律事務所に勤務しながら司法試験の勉強をしたりして十数年を過ごしました」
転機が訪れたのはアメリカで9・11が起きた年。ご実父が他界されたのです。
ここで始めたのが「デイトレーダー」。
「24時間パソコンの前に張り付いてひたすら株価を追いかけ、売買を重ねる日々でした。ここで私はほどんと交友関係を失いました」
デイトレーダーの仕事に終止符を打った本間さんは、ファイナンシャルプランナーの資格を生かして事業を始めます。その際、ある人から「何でもハイで請けなさい」というアドバイスを受けます。
「来るものは何でも受け入れる。そして5年前のクリスマスに渋谷区倫理法人会と出逢って入会したのです」
以来、終始一貫ということが成功の秘訣という教えを信じて、皆勤を実践しつづけている本間さん。倫理の教えは性に合ったといいます。
「夫婦の関係も倫理を実践することによって、妻と出会って結婚したこれまでのことを振り返る、いわば本のことを振り返ることができるようになり、とてもよくなりました」
また、本間氏は「自宅出産」という貴重な体験をされています。それは、命とまともに向き合い、命に対する責任を実感するという経験でした。これもまた「本を忘れず」にまっすぐ繋がることです。
「第四子である長女が産まれた時は午前2時。真夜中にも関わらず、三人の兄弟たちは起きてきて、その誕生を前に、きらきらと神々しいまでの笑顔を浮かべました。私はこの笑顔を、絶対に曇らせてはならないと思いました。この貴重な体験も、倫理の指導がもたらしてくれたのです」
その後、前述のように障がい者をもつ親御さんから相談を受けた本間さんは「これだ!」とひらめきます。
「親が子を思う気持ちを助けたい。そういう仕事をしていきたい、せずにはいられないと強く思ったのです。このように本がしっかりすると、いろんなことがうまくまわるようになっていきました。今週金曜日にカフェをオープンできるのも、そのおかげなのです」
本間氏の話から、本が定まることがいかに重要かがわかりました。
「末を乱さずについては、継続していくことだと思っています」
いずれは障がいを持つ人を経営者にしたい、と力強い言葉で夢を語ってくださいました。
【本日の朝食】
充実したひとときの後はカフェ「オリーヴの木」でなごみの時間。ドアを開けると、焼きたてのクロワッサンと珈琲の香りが満ちています。
今日のメニューは、
柚子風味のあんかけ豆腐/クロワッサン/ポポリ/カスピ海ヨーグルト/珈琲
地元産のしらすもたっぷり入ったあんかけ豆腐は冬らしい柚子の香り。大根おろしを添えていただきました。寒い朝にぴったりの、やさしいひと品です。
ポポリというのは、フォカッチャ風の米粉のパン。モッツラレラチーズが適度なこくを添えています。
濃厚でありながら後味が爽やかなカスピ海ヨーグルトはオーナーさんの自家製。カットしたデニッシュのトッピングがサクサクと軽やかな歯ごたえを添えてくれます。
体と心にやさしい朝ごはんを囲みながら、会話もはずむ楽しいひとときです。
【本間氏と鎌倉散策!】
講話をいただいた本間氏を囲んで「ミニ鎌倉散策」を楽しみました。
雲ひとつない晴天、日射しに透ける紅葉の美しさは、古都鎌倉の風情をいっそう魅力的にしています。
まずは源氏山公園へ。ここは富士山のビュースポットでもあります。幸い、おぼろげながらも雪を被った富士山が美しい姿を見せてくれていました。
山茶花や椿など冬の花と、色づいた木々の競演は夢のような美しさ。自然はいつも素晴らしい芸術を見せてくれます。
源氏山を散策しつつ、銭洗い弁天へ。朝早い時間のためか、人気スポットもひっそりと静かです。
本間氏の念願通り「銭洗い」を済ませ、高徳院へ。
鎌倉の大仏様は今日もおだやかな表情で、この地を見守ってくださっていました。
あとは、極楽寺を抜け、稲村ヶ崎から海岸通りを走り、若宮大路から鎌倉駅へ。石渡会長の車で小一時間、つかの間ながら中身の濃い散策となりました。
「家族との約束、鳩サブレを買って帰ります」と、爽やかな笑顔で鎌倉を後にした本間氏でした。
源氏山公園で。満面笑顔の本間氏です。
鎌倉は今がまさに紅葉のまっ盛り。
源氏山もこんなに色づいていました。
銭洗い弁天。「全部の種類のお金を洗っていこう♪」と本間氏。おちゃめな一面を垣間見ました。
歌人・与謝野晶子が
「美男」と歌った大仏さま。
青空のもとで、ゆったりと私たちを見守っています。
「かまくらやみほとけなれど釈迦牟尼は美男におわす夏木立かな」
( 与謝野晶子)