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2014年1月22日水曜日


JR北海道のレール幅データ改竄で感じること



JR北海道では、ディーゼル車の火災が連続して発生し、国土交通省の改善命令が出た矢先に、列車の脱線に直接関わるレール幅データの改竄というあり得ない事実が発覚しました。その上、社長経験者2人が自殺するなど、組織の全身から膿(うみ)が次々とほとばしり出るような「死に体」の様相を呈しています。

労使関係が正常ではなく、組織の内部で信頼関係が破綻したときに発生する病魔が、到る所に巣食っているのでしょう。

監督官庁である国土交通省から、改善命令や5年間の監査強化などの処罰的な処置が実行されようとしています。しかし、そのような上から目線の「おしおき」によって、お客様の命を預る鉄道会社の社員全員が、列車の安全走行に向けた考え方に切り替わるとは到底思えません。

JR北海道がホームページで掲げている理念は、以下の7項目です。

    お客様第一の実践

    お客様の安全を最優先

    お客様の満足と感動の実現

    社会的責任を果たす

    地域の経済と文化の発展

    事業の発展

    社員の充実感の向上とグループとしての成果の最大化 

 

この7項目が空しく響きます。まさに、理念とは名ばかりで、本音は、⑥を除く理念を如何に否定するかに全力を傾けてきたようにしか見えません。

自殺された相談役を、自殺当日に秘書が自宅に迎えに行ったとあります。上記⑥項の実現のため、人件費を切り詰めたのでしょう。現場の保線作業員が、猫の手も借りたいと思うほど追い詰められ、データの改竄に手を染める状況のとき、同じ会社の相談役の出迎えに秘書が付いていくというのは、余りにも落差が激しいと思います。

その秘書は保線係員に担当換えし、保線作業員の負荷を少しでも軽減するべきではなかったのでしょうか?
また、この件で、辞職させられる社員が数十名出るようですが、単純に責任の所在の面から辞職範囲を決めるのではなく、どのような考え方で会社再建を目指すのかに関する論文を提出して貰い、真に再建できそうな案を提案する人材を残すなどの計らいが必要ではないでしょうか。

翻って、倫理(人の道)を学ぶ私達は、家族を愛し、社員を家族と同様に愛し、お客様を社員と同様に愛することで、地域の発展を目指しています。この理念の上に立って、自らの幸せと社会貢献とを実現しようではありませんか。

文責:鎌倉市倫理法人会広報委員長 平松 健男



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