本日は、石川真理子幹事が平塚市倫理法人会モーニングセミナーにて講話をいたしました。
※プロフィールは省略いたします。
東日本大震災の時、日本人の節度ある振る舞いが海外で絶賛されたことを覚えている方も多いと思います。
私たちにとって当たり前と思えることでも、海外の方からするとそうではない。灯台もと暗しという言葉があるように、外から見ることによってわかることがあるのです。
私は二十代半ばから武士道を研究し始めましたが、日本人とはいったい何だろう?どんな民族性を持っていたのだろうか?ということを知りたいと思ったとき、幕末明治に日本で暮らした経験を持つ外国人の手記を手引きにしました。
そして、たいへん驚いたのです。
そこには、礼儀正しくおおらかで、親和に満ちた上下関係を保つ、気品ある人々の姿がありました。しかも最下級の庶民に至ってもそうなのです。
かつての日本には道徳教育がどこの国よりも浸透していました。そして、その道徳の元になっているのが武士道なのです。
武士道の徳目は「仁。義・礼・智・信・忠・孝・悌」の八つになります。そして、その行動規範のもととなっているのが「誠」でした。
「誠」とは「言ったことは成す」と書きます。つまり、サムライは実践を重んじたのでした。これは実践倫理とまったく同じです。
こうした武士道の倫理観は明治になると、教育勅語に反映されました。
教育勅語は実は世界各国で絶賛された経緯があります。
最近では、レーガン政権の時に教育勅語と修身教科書に基づいた日本の道徳教育が役立てられ、その後、それは「ザ・ブック・オブ・バーチュー」というタイトルで出版されました。
アメリカ版教育勅語と修身教科書というべきこの本は、第二の聖書とまで賞賛され、一説によれば3000万部以上のベストセラーになったということです。
では、なぜ日本で教育勅語や修身が失われてしまったのでしょうか。
大東亜戦争に敗戦し、GHQの統治下にあった時、廃止となったためです。
そのまま復活されることなく今日に至っています。
しかしながら、このまま日本から道徳教育を失わせるわけにはいかないと危機感を抱き、活動する人がいました。
その代表的な一人が、丸山敏雄先生です。
丸山先生が『万人幸福の栞』を出版したのは、まだまだ言論統制の厳しい昭和24年です。
これがいかに勇気と叡智を必要とすることであるか、想像するに余りあります。
この栞を読みますと、先祖代々日本人が大事にしてきた倫理観がしっかりと生かされていることがわかります。
アサヒビール名誉会長の中條高徳氏は、「栞の内容は教育勅語そのものである」と述べていますが、まさしくそうであると私も思います。武士道を基とする日本人の美徳は、奇しくもこの栞に受け継がれていたのです。
倫理を学ぶ私たちは、実践によって普遍的な真理がここにあることを表現し続けることが肝要ではないでしょうか。
今後も日本の美徳を復活させるために私も尽力していきたいと思います。
(石川真理子 記)
2014年5月16日金曜日
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿