第571回モーニングセミナー
朝から冷たい雨が降りしきり、鎌倉駅に降り立ったのは5時18分。今年は殆ど雨が降らなかったので、久し振りの雨で、木々は生き返ったようです。6時からの役員朝礼には、10名の役員が集まり、いつも通りに気持ちを合わせた活力朝礼です。
最初に松谷会長の挨拶です。
「先週、後継者倫理塾の話の中にあったように、経営とは、今までと同じことを踏襲してはいけないと思います。本日の講演テーマは『倫理経営で100年企業を目指す』ですが、100年間、継続させるには、何人かの経営者で引き継ぐ必要があります。私の会社の後継者はまだ決まっていませんが、倫理の考え方で実践すれば、100年企業が可能になると思います。」
次は、菅原 浩太 幹事の会員スピーチです。
「入会して半年が経過しました。大阪生まれの私が、鎌倉で建築事務所を開設し、幸い某ハウスメーカから仕事を貰いました。山登りが趣味で、数時間車で走り、登山口まで行き、夜間、2時間ほど登山という過激な行動をしていました。登山中、仕事のことを考えていましたが、答えは出ませんでした。結局、目前の仕事に集中するとか、人との交わりの中で修業すること。そして、そのための実践・行動が必要と感じました。修業と言っても、修行僧的な修業(苦痛を耐え忍ぶ)ではなく、人との交わりの中で解を求めて行くということと理解しました。先ずは、実践することです。」
次は、長瀬 透 東京都倫理法人会 副幹事長(法人レクチャラー)の講話です。
【長瀬 透 氏のプロフィール】
昭和24年、東京都昭島市生まれ
東京薬科大学卒、薬剤師
薬品会社に3年勤務後、(有)長瀬絞工場(父の経営)入社。平成元年社長就任
平成8年、立川市倫理法人会に入会
平成12年、昭島市倫理法人会を設立
平成28年、(株)ナガセ 環境グループ 立川・新宿サロン設立
同年、倫理17000取得
「日本で100年以上続いている会社は、26,000社以上あります。企業の第一目的は、『続けること』です。つまり、経営のバトンを上手に後継者に渡すことです。リレーの場合は、走りながら両者とも最大スピードに達したときにバトンを渡すには、渡される側が渡す側のスピードに達する能力を備えていることが必要です。つまり、人材育成がキ―ポイントです。『万人幸福の栞』は、バトンタッチの道具と考えてもいいと思います。
人との縁も重要です。折角の縁に気付かず、人生を棒に振る人が多いのではないでしょうか。父母や祖父母に学ぶことも重要です。長年続いている企業では、先輩に学ぶことが大切です。」
「私の会社は昭和20年設立で、終戦直後に金属製の鍋・釜を作り、成功を収めました。金属板を『へら絞り』という塑性加工法で造ったのですが、その技術が、最先端技術が必要なNASAのロケット先端部(耐熱性、強度、精度が重要)に採用されました。金属加工業を採用した工場は数多くありましたが、長く続いている工場は少ないです。絶えず技術を開発し、ブランド力を上げる努力をした結果が、成功の基だたと思います。企業理念として、人との和、コミュニケーション、人脈、人の育成がいつの時代にも重要です。ただ単に昔風の経営を続けてしまえば、いずれ破綻するでしょう。『私は行くぞ』と前向きに未知・未開拓な分野にも出て行く勇気が必要です。現在使用している機械などに『ありがとう、よろしく』という気持ちも大切です。社員も30年毎に変わりますが、能力のある経験者を退職させてしまうのは会社にとっても、日本全体にとっても損なことです。当社では古手を大切にしています。社員に感謝し、会社は社員主体としています。会社の理念の第一に、『社員を大切にする』を挙げ、会社の記念日などには、社員のご家族全員を招待し、『感謝の心』をお伝えしています。」
「会社の理念としては、『失敗を恐れず、高い目標に向かってやってやり抜く』、『他人のせいにしない』なども重要です。」
倫理の真髄を滔々と語られる長瀬氏の迫力に眠気も吹っ飛び、集中して講話を聴かせていただきました。起業してから72年間続いた金属加工業の分野で、更に磨きを掛けようとされる強い意志を感じることができました。
この後、集合写真を撮り、場所をオリーブの木に移し、長瀬 氏を中心に、倫理経営のあり方に関する話の続編で盛り上がりました。 (平松 健男 記)
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