2016年7月1日金曜日

~日本の木の家に住みたい~梅沢典雄設計事務所 梅沢 典雄

2016628日(火)

4時半起床、気分良く起きることができて、ほっと一息。昨晩、ひどい風邪を引いていたので、大丈夫かと心配しましたが、朝になると一転気分爽快です。九州地方の豪雨は一向に衰えず、地震で壊滅された地域を豪雨が襲っているようです。お天気の神さまは、何故弱い者いじめをされるのか、その真意を推し測ることはできません。本日の講話者は、鎌倉で設計事務所を経営しておられる梅沢 典雄 氏、講話のテーマは「日本の木の家に住みたい」です。しなやかな強度を持つ木材、また、豊かな森林に恵まれる日本の風土、そして、耐震性に優れる五重塔の耐震技術などが示されることを期待しています。

6時半からはMS本番です。

松谷会長のスピーチから始まりました。

「不都合なこと、嫌な思いがあったとき、愚痴をこぼせば幸せがこぼれて行きます。そのようなとき、一旦深呼吸して幸せだと思うことにしています。皆さんも自己革新して、幸せになって欲しいと思います。」

次は、石渡相談役の会員スピーチです。

「私は、講話を依頼されたら、喜んで引き受けることにしています。昔、木村由利子さんに何度も誘われて倫理に入り、人生が変わりました。そのお誘いが無ければ今の私はないと思います。お世話になった方は一生忘れません。70歳(古希)になったときに鎌倉市倫理法人会の会長を拝命。日本創生に役立つ人材を育成するためにとの願いで、同時に断酒しました。私は父に育てられたと思います。その父は103歳で亡くなりました。お茶を飲みながら心筋梗塞で、安らかにあっという間に亡くなりました。見事な死に方でした。」

次は、いよいよ梅沢 典雄 の講話です。

梅沢 典雄 氏のプロフィール】
1952年生まれ、東京藝術大学大学院を卒業後、岡田新一設計事務所に入所
2005年同事務所を退社し、梅沢典雄設計事務所 開設

「大学院を卒業し、会社に入社してからは、大きなビルの建設を担当していましたが、11年前に、小さな住宅でも造ろうと思い転職・自立しました。明治6年以降、日本の暦は『陰暦*1』から『太陽暦*2』に変わりました。」

*1:月の満ち欠けの周期に従って定めた暦。新月を1日とし、29.5日ごとに1日が始まる。1年は12カ月(354日)と13カ月がある

*2:太陽の周期に従って、1日が決まり、1年が365.25日あることより、4年に1度うるう年(1年が366日、他の3年は1年が365日)を持つ。なお、陰暦では、毎月1日が新月、15日が満月となる。

「昔から日本では、木を切る時期は新月の真夜中がいいと言われました。満月に切った木に比べて虫がつきにくく、割れにくいと言われています。木以外の西洋の材料(鉄、コンクリートなど)では、木のような粘り強い強度を有しておらず、地震の際、西洋材では大きく変形して破損に至る場合でも、組合せ木なら、変形しても破損することなく、踏ん張れます。五重塔のような地震に強い構造も地震国・日本が永年かかって学び、辿り着いた技術であると思います。」

数字上に表れる強度については、木材は西洋材に劣るが、使用上の実質的強度・耐久性に優るという事実は、目から鱗でした。更に、金属を使わないので、建設現場から出るごみは埋め立ての必要がなく、長期間放置してもやがて自然に還るごみなので、地球を汚染しません。明治維新で西洋文明が一挙に入ってきて、追いつき/追い越せと、日本人は西洋技術の物まねに没頭しましたが、その無秩序な模倣が、日本人の創造力を破壊し、環境を汚染してきたようです。

「今後の日本は、便利な暮らし、大量生産、集約、分化、施設、グローバルという価値基準から、豊かな心、手造り、長寿命、分散、住宅、ローカリズムという価値基準に転換するべきと思います。」

日本人なら、誰しも木材建築の良さは知っていると思いますが、今日改めてお話を聴く機会を与えられ、大満足でした。東日本大震災で発生した大量のごみ(放射性物質をはじめ、埋め立てごみが殆ど)は、いずれ環境を破壊しながら、人類を襲ってくるでしょう。今でも中国のプラスチックごみを食べた魚を日本人が食べているので、人体への影響が危惧されています。

この後、いつものように集合写真を撮り、オリーブの木で栄養バランスの良い、美味しい朝食を頂きながら、皆さんで本日のMSの感想を述べあいました。また、来年も続きのお話が聞けることを期待しています。

平松 健男 記)

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