2017年10月17日火曜日

~あなたはどんな最期をむかえたいですか~東戸塚地域ケアプラザ 看護師 名和幸子さん 

秋の長雨。ここのところ雨続きの寒い日が続いています。

雨にも負けず今日も朝6時からのモーニングセミナー朝礼が大きな声と笑顔で元気よく始まりました。朝から大きな声と笑顔で挨拶すると心身ともにスッキリ気持ちよくなり、脳も活性化し仕事への集中力が増します。ぜひ素敵な朝活の時間を共有しましょう。

続いて6時半からモーニングセミナーが始まりました。

中山会長ご欠席のため、石渡好行副会長のスピーチです。


「今日は朝、泣いてきました。東北大震災のDVDを観て泣いてきました。寒くなってきましたが未だに断熱材の無い応急仮設住宅で暮らしている方々がいます。そういう方々に想いを馳せ、自分のできることをする。常に思いやりの心で自己の慢心を戒める。一日一回泣くことで心の雑草を取り除く。それが倫理の学びの場だと思います。」

続いて蔵多のり子専任幹事の会員スピーチです。



 「蓮見先生の指導で、同じ時間に、同じことを、同じ場所で、続けることの重要性を学びました。ところが実践してみると、これが如何に難しいかということを学びました。しかし、やろう!という意識や行動によって自分が少しづつ変わってきたことを実感しています。そのお陰で最近は、人の縁が繋がってきていることを実感しました。」

「偶然、沖縄で会社を経営している旧友とfacebookでお友達になりました。その方の紹介で、シンガーソングライターの方とSNSを通じて知り合いになりその方のコンサートを聴いてきました。ところがSNSで普段接しているので初めて会った感じがしません。これはきっと何かの力で会わされているんだろうと思わせてくれるほど心にスンとくるような素敵な出会いでした。音楽はその人の波動や生き様が感じらる力を持っています。このようにして人の縁が繋がり、自分も成長していけることに感謝です。」

続いていよいよ本日の講師 東戸塚地域ケアプラザ 看護師の名和幸子先生の講話です。


まず冒頭に、倫理法人会との繋がりをお話ししていただきました。名和先生のお勧めするドキュメンタリー映画「生死(いきたひ)」(長谷川ひろ子監督)が湯島倫理法人会で上映されたことから倫理法人会を知るきっかけとなったということです。

そしてプロフィールをご紹介いただき、「看取り」という終末医療に携われてきた経緯をお話ししていただけました。
「看護学校を卒業し、小児病院へ勤務し一旦リタイアした後、H12年度から有料老人ホームにて働いてきました。小児とは違う高齢者医療に携わるようになり、子供とお年寄りは違うように思えても、じつはとても同じようなものであるということがわかりました。子供は能力が向上していきますが、お年寄りは能力が低下していきます。しかし、励ましたり意欲が持てるようになるのは子供もお年寄りも同じなんです。」

「老人ホームにて人生の末期を多数みてきた中で気づいたのは、医療行為だけで十分な「看取り」が出来ないということ。「死」はとても身近にあるのですが、タブー視され、病室に追いやられて無理矢理延命治療が行われたりしています。」

「老衰は病気ではありません。徐々に身体が衰えてくると食べ物を飲み込む力が弱くなります。食べ物が気管に入ることで誤嚥性肺炎を引き起こします。嚥下機能が無くなると鼻から胃に直接栄養を入れることになりますがこれは大変苦しい。老化によって痴呆症を患っている方も多いので、 苦しくて自らチューブを抜かないように拘束衣を着させられたり、ミトンを付けられるケースが多くあります。」

「嚥下機能が落ちても、長時間少しづつ食事をさせれば機能が回復するケースもあります。しかし病院ではそんな時間はありませんので安直な治療に陥りがちです。三か月経てば療養型医療機関に移設、或いは在宅介護となります。在宅介護は家族が高度な医療行為をサポートする必要があるためとてもハードルが高いのが現状です。」

「鼻からの摂取が難しくなると胃ろうになります。しかし、一回胃ろうにしてしまうと止めることはできません。なんとか胃ろうに至る前に対処できないか?というのが医療現場での課題になっています。」

「老衰してくると、体が「もういらない」と栄養の摂取を拒絶することが起こります。死に向かおうとする自然のプロセスが起こります。太っている人でもお腹が背中にくっつくほど痩せていきます。死ぬということは全てを出し切っていくこと。しかし点滴などで無理矢理水分を入れると、体が受け付けず水膨れを起こし、反って苦しめることにもなります。肺に水が溜まると肺水腫を引き起こします。」

こういった現場を多数みてきた経験から、日頃から自分はどのような最期を迎えたいのか?を考える必要があると語られていました。自然な死を迎えた方は本当に安らかな顔をしているということでした。

死は必然であり、誰もが最期に経験することです。死の現場を病院の片隅に追いやってしまうのではなく、死を見つめ直し、どう死に向き合っていくのか、引いては今をどう生きるか、という問いをしていく必要があるというお話しをお聴き出来ました。

名和先生の講話に、昨年胃ろうの末に亡くなった筆者の父親のことを回想しながら改めて感慨深い気持ちになりました。



講話にてお勧めいただきましたドキュメンタリー映画「生死(いきたひ)」と本「枯れるように死にたい」をご紹介しておきます。



モーニングセミナーの後は好例の記念撮影。その後名和先生を囲んで楽しい朝食会&感想会が行われました。名和先生、本日の講話ありがとうございました!

(記:事務長 菅原 浩太)

1 件のコメント:

  1. 素晴らしいコメント付きのブログありがとうござました。しかも、早々の投稿で驚きでした。鎌倫の将来は明るいと感じました。

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